[レポート]fujico 写真展『(いつだって、)あとになってやってくる』開催しました。
写真家・執筆家「fujico(フジコ」)による展覧会を開催しました。
姉妹店DAILY SUPPLY SSSとの同時開催。
SSSでは額装された作品を中心に展示し、Try Many Times Clubではリソグラフを使用した作品が並びました。
photo by fujico
photo by fujico
fujico 1st solo Exhibition
「(いつだって、)あとになってやってくる。」
会期:2023年9月13日(水)ー 9月30日(土)
[会場]
①DAIY SUPPLY SSS
12:00-18:00
日・月・火曜定休
②Try Many Times Club
10:00-1800
月曜定休
イベント:
・MIHOKASHIの焼き菓子:
2023年9月16(土)
12:00〜18:00
https://www.instagram.com/miiihogb13/
・TESIOのソーセージ: 2023年9月30(土)
2023年9月30日(土)
12:00〜20:00
https://www.instagram.com/tesio_sausage/
[プロフィール]
fujico
岐阜県岐阜市生まれ。名古屋市在住で東京との2拠点生活。
大学時代に欧州を放浪し、スペインに約1年間滞在。
2021年からフリーランスの写真家、文筆家として表現活動を行う。
https://fujico.mypixieset.com/
[作家テキスト]
ほんとうに言いたかった言葉は、いつだって、ずっとあとになって浮かび上がってくる。
ずっと身近にあった愛が、あとになって儚くも自分の心に血を通わせる。
自分からもっとも遠い場所とは、あとになって今自分が立っている場所だと知る。
今の苦しみや悲しみは、あとになって今の自分を救う瞬間だったと気づく。
この世のことはあとになってしかわからないことがあること。ひとつは、人生の転機やターニングポイントみたいなもので、たとえば苦しみやかなしみのさなかにいるときは、この先が真っ暗に見えるほど、不安や絶望の波に飲み込まれ、深い海の底に沈んでしまうこともある。けれども、そこから見た景色は明るくて、未来の自分があのときの過去の自分を肯定できる日が来ると信じている。
もうひとつは、わたし自身のことで、誰かのことは伝えられるのに、自分のことはどうもうまく話せない。だから撮っているのかもしれない。でもことばにすることを諦めたくはない。いつだってあとになって、言いたかったことが浮かび上がってくる。写真だって、いまわかることはほんの少しで、あとになって自分を救い、支えてくれる。写真の良さは未来のいつかにあるのかもしれない。そうか、なんだって、いつだって、あとになってやってくるんだ。
[ リソ作品について ]
リソグラフの作品では、写真と言葉を散りばめています。光や影を、網点やベタ刷り、誤差拡散といった出力方法で。写真を“描く”イメージで制作しました。出力方法のほか、インクの色や紙の種類も組み合わせて、インクの濃淡や微かなムラが1枚1枚違って味になるので、リソグラフはほんとうに楽しい。
普段デジタル上または一般的なカラー印刷でアウトプットしている写真とは異なる見え方との出会いや、リソグラフ自体の面白さを知るきっかけになったらうれしいです。
リソグラフと英語に共通するのは「拙さ」。自分のことを話すのが苦手なわたしにとって、写真はひとつの表現やツール。はじめましてのリソグラフで、思うような色や絵にならなくてもがき、でも思い通りにいかない面白さにだんだん惹かれていった。
テキストを英語にしたのは、日本語にすると意味が写真の前に立って強すぎるのと、解釈の余地がうまれるから。文字を記号や絵として受け取ってもいいし、誤読が生まれてもいい。そうした余白の中で、ほんと少しでも思考や対話が生まれたらいいなと思います。