コーヒーメニューを改編しました。
4月24日にコーヒーメニューをリニューアルしました。これまでレジ横にどっしりと構えていたエスプレッソマシンを手放し、コーヒーメニューからエスプレッソドリンクがなくなりました。これまで主力メニューだった「カフェラテ」がなくなり、水出しコーヒーでつくる「カフェオレ」が瞬く間に人気メニューになりました。
「変化」の捉え方はきっと人によって違うと思いますが、ここまでの週間は良い方の反応が多くてホッとしています。
「今まで飲んだカフェオレで1番美味しい」「カフェオレのイメージが変わった」と言ってもらえたことが嬉しかったです。僕も普段コーヒーはブラックかブラックに砂糖を加えてしか飲まないのですが、今回始めたカフェオレは飲んだ瞬間に素直に「おいしい」って言える味に仕上がったと自信を持っています。ぜひ一度は飲んでみてくださいね。
エスプレッソマシンを手放したことについてのお話をします。今ではカフェやコーヒーショップをオープンするとなれば、エスプレッソマシンの導入は当たり前になっていると思われます。数年前にはアパレルショップの新店舗にはエスプレッソバーが併設される時代もありましたが、最近はどうなっているんでしょう?
僕が大学生の時代にはカフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ(鎌倉)、バワリーキッチン(駒沢)、ヌフカフェ(恵比寿)など、当時の「平成カフェブーム」を牽引するかっこいいカフェがたくさんありました。この頃はカフェという[空間]や[場]自体に魅力が溢れていたように感じます。ちなみにカフェの道に入るようになってから一番好きになった店は大坊珈琲店(表参道)です。
そしてその間の1996年にスターバックスが日本に上陸し、それまでの日本の喫茶店やヨーロッパ式のカフェからアメリカ式のコーヒーショップへとブームが移り変わっていきました。
今回エスプレッソドリンクを辞める決断をしたのもいくつか理由はあるのですが、その一つとして【ポストスターバックス】が頭に浮かびました。そんな言葉はまだありませんが。
【ポスト】は「後」という意味です。スターバックスなど【シアトル系】と呼ばれるコーヒーショップの流行の後に【サードウェーブ】というコーヒーの流行がありました。サードウェーブの特徴は、高品質のコーヒー豆「スペシャルティコーヒー」を1杯ずつ丁寧にハンドドリップで淹れることにあります。生産者の努力によってコーヒー豆の品質も向上し、良い豆を浅煎りにして楽しむことができるようになりました。日本でのブームの火付け役は2015年に日本1号店がオープンしたブルーボトルコーヒー(清澄白河)と言われています。僕も当時、オープン初日に4時間行列に並んでコーヒーを飲んでみました。
ちなみにブルーボトルコーヒーの創業者のジェームズ・フリーマン氏は、日本の喫茶店文化に影響を受けていると言っています。
このサードウェーブ時代到来により、コーヒー豆の品質の向上や生産体制の改善、新しい抽出器具の開発など、それまでなかったいろいろな変化が起こりましたが、最近はその波も落ち着いたように感じます。
お店のことに話を戻します。
自分が好きなお店を改めて見つめ直してみたり、あるいはこれから自分が何を目指していくのかを考えた時に、エスプレッソマシンに依存しない店にしていくべきなのではないかと考えるようになりました。
ちょっとどうしても長くなってしまうので、続きはまた書きます。
photo by fujico